直感力(自分を信じる力)

羽生善治さんの直感力を読みました。
私は、気になるページを折り曲げておく癖がありますが
この本は、ほとんどの部分が折り曲げられてしまうくらい共感する部分が多かった本です。
 
生き方や成功するためにはといったノウハウ本や薄っぺらな内容の本が多い中で
将棋の永世名人である羽生さんならではの鋭い観察力から書かれたこの本は素晴らしい!
 
直感には、論理的思考の蓄積が必要でそれは経験が積み重なって得られるものであると語っています。
つまり、いかに論理的にいろいろと考えたか、いかに失敗を重ねて無駄と思えることを惜しまずに
やってきたかが大事であると私は理解しました。
 
すぐに結果を出すことばかりにとらわれて
丁寧に手間をかけて物事を進めていくことがあまりに多くなっているような気がします。
個性が埋没し、やる気をなくしてその結果組織が弱くなる。こんな悪循環の繰り返し。
もちろん成果も出ずに失敗することもあるけれどそこから何を学ぶのか、どう繋げていくのかの方が
その人の生き方や人間力を高めていけるのではないかと思います。
 
またこんなことも言っています。
変わっていく、変化し続ける自分を納得ししながら楽しむ。思いどおりにならない自分を楽しむ。
なんて素敵な言葉なんだろうと私は感じます。
 
昨今、10年後の自分やなりたい自分などの本が多い中でこの言葉は本当に意味がある。
何もみんな同じような成功や金持ちになれる分けも無く、またそれがその人にとっての幸せなのかも分からない。
変化に対応していく自分、変わっていく自分を楽しむことなら無心に出来るかもしれません。
あえて目標を立てず変化に対応していくことの方がいかに過去にこだわらず柔軟性が必要で難しいことか!
そんなしなやかさと謙虚な心を持って生きたいものです。

直感力 (PHP新書)

直感力 (PHP新書)