尾根のかなたに

尾根のかなたにを読みました。
きっかけは、WOWOWでドラマ化したのを観たのと
あの日航機墜落事故が題材だったからです。

1985年(昭和60年)は、私が社会人となった年であの事故の8月12日の夕方は
タクシーに乗っていて飯倉の交差点あたりでラジオの声で知りました。
私は、毎日を分けも分からず駆け回っていたのでしょうが
何かとんでもないことが起こったらしいと感じた記憶があります。
当時働いていた会社の大阪支店の方も乗っていたのもより印象づけたのかもしれません。
 
この本では、父と息子のその後の物語を書かれています。
読んでみるといずれの場合もその後の人生が、この事故を機に大きく変わってしまったことが分かります。
何の準備も無く訪れる現実、人はただただ混乱してしまうのでしょうね。
そしてそれを大きな傷として前に進めるか押しつぶされてしまうのかの違いは
その人の生命力と周りの環境なものかもしれません。
 
危機的状況で人は、何を残そうとするか?
言葉、写真、声・・・。
それを受け取ったものが何を想うか?
答えはありません。
 
また興味を持ったのは
この本にいくつか出てきているのですが、亡き人がまわりに存在すると感じていることです。
これは、不思議ですが存在が有る無しではなく分かる気がします。

尾根のかなたに 父と息子の日航機墜落事故 (小学館文庫)

尾根のかなたに 父と息子の日航機墜落事故 (小学館文庫)