ネット・バカ
A氏の紹介でニコラス・G・カーさんのネット・バカを読みました。
IT業界に働く者としては、とても興味深いものでした。
ITという知的テクノロジーの進歩が人間へ及ぼす影響。
もはやこのツールを使わないで生活するという選択はないと思いますが
こういうことを頭に入れておきながら携わって行くことが大事だと感じました。
特にITの最先端で働くA氏がこのような感覚を持たれていたことは在る意味でとてもほっとしました。
コンピュータにつきものの注意散漫状態、これとうまく付き合って行くには何がいいんでしょうね?
私もそう言えば長い文章を読む集中力は無くなってきました。
やはり人間も動物ですから言葉や道具に頼らない世界を感じられるように少し注意しておくことがいいかもしれませんね。
自然の中で生きていることを感じる、または体験する、表現するといった積極的な姿勢が大切かもしれません。
印象的な言葉
- ニーチェは、執筆の道具は、われわれの思考に参加すると言った。
- エジプト王タモスは、人々は文字にたより、記憶力の行使をを止めてしまうだろう
- 印刷機により伝わる情報の正確性と内容は大幅に増大し、他者の考えや体験と比較出来るようになった。
- 印刷された本は、インターネットに接続された電子デバイスに移植されるとコンピュータにつきものの注意散漫状態が、本の言葉を包んでしまう。
- あるゆる道具は、可能性を開くとともに限界をも課す。
- ウェブは、忘却のテクノロジーである。
- テクノロジーの進歩は、思考と考察からのみ生まれる洗練された認識や思考、感情をかき消してしまうかもしれない。
ジャグラーの脳
- スウェーデンの神経学者は、人間はより多くの情報、印象、複雑さを求める。同時に複数の動作を行うよう要求する状況や情報量に圧倒されてしまうような状況を求める傾向がある。
- インターネットや検索エンジンを頻繁に用いることで旧来の知的機能・知的活動を支えていた神経回路は弱体化し、崩壊をはじめる。脳は使われなくなったニューロンやシナプスを急を要する他の機能のために再利用する。
- マルチメディアによって生じる注意分割はさらに認知能力を酷使し、学習能力を減少させ、理解力を弱めている。より多くの情報は、より少ない思考活動につながりうる。
- デジタル環境は、もっと幅広いトピックを探求するように人々に促すが、同時にもっと表面的に探求するよう促してもいる。
- 作者: ニコラス・G・カー,篠儀直子
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2010/07/23
- メディア: 単行本
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