禅ー壁を破る智慧
有馬頼底さんは、数年前に京都の相国寺で若冲展を観て以来気になるお坊さんです。
この前、金閣寺を訪れたブータン国王夫妻の案内役も務められていたのをまたテレビで拝見しました。
今回の本も至る所に教えられるものがありましたが
特に『逆境は生きることの本質である』というところに感銘を受けました。
そのなかでこう語っています。
つまり四苦とともにある生のなかにあって、逆境だけをことさら特別視する必要はないのかもしれない。
なぜなら人の生そのものが広い意味での逆境のようなものだから。
有馬頼底さんはさらに語っています。
『人は言葉をもって考えることができるがゆえに、生き物としては致命的な弱さを抱えることになってしまった』
つい最近、冬眠に入ったカエルのぴろすけを見てきて思います。
彼らは本能のままに生きていました、とても逞しく生き生きとしていた。
幸せそうな時は短かったように見えるけれど、そう感じるのは実は言葉をもって考える人間のほうで
彼らはただただその時にその生命を完全燃焼しているだけであったのかもしれないと今は思います。
冬眠という厳しい逆境を越え、来年の春に飄々と現れる彼らを楽しみにしてます。
- 作者: 有馬頼底
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2011/11/11
- メディア: 新書
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (2件) を見る