働かないアリに意義がある

こいうタイトルに弱いんですよね。
著者の長谷川英祐さんは、進化生物学者ですが人間社会に例えながら研究成果を優しく書かれています。
面白かったのは、反応閾値というのがあって物事に対する反応の個体差があることが
長期的な存在可能性を高くするということです。

これが働きたいのに働けないアリを作り、指示系統なしに必要なときに必要な数を臨機応変に動員することがでる。
その働きたいのに働けないアリにもそういう意味で存在意義があるというものでした。疲労というものが存在する以上
みんな一緒に動いてしまうとダメなんですね。
 
刻々と変化する状況に対応可能な一種の余力を作って
あえて効率の低いシステムを抱え込むこむことによって進化してきたアリの世界。
今の世の中には余力がないですね、みんなと一緒のようにしてないと真っ先にリストラされちゃう。
 
また、利他的な行動をするワーカとフリーライダーとしての本当の裏切りアリが
長期的な存在可能性を高くするとも言います、これもとても不思議ですね。
結局、個性豊かな社会の方が強いということでしょうか?

人間の滅私奉公も将来的な報いを期待する『生物としての進化』らしいですが
今回の震災に関わるボランティアの方々を見ていると説明出来ませんよね。

まだまだ分からないことだらけ、一見無駄と思われるようなことでも何か感動を与えてくれるものを大事にしたいですね。

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)

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