ほかならぬ人へ

愛の本質に挑む純粋な恋愛小説とのコメント。
私は、直木賞を取られた表題よりかけがえのない人への方が好きです。
 
どちらも全体的な感想は、恵まれた環境で育った人間のことを描いているということです。
この辺が桜木紫乃さんとは違うところですかね
「一生懸命生きている人から幸せとか不幸とかは聞いたことがない」と桜木さんは言います。
私は桜木紫乃さんの表現の方がしっくりとくる。
 
人間複雑のようで、案外単純のような気もしますし
一人一人違うということもありますよね。
 
だから、結局好き嫌いの問題かな。
 
「子供の一人や二人くらい平気だよ、うちはさいわい資産家なんだし、
彼とうまくいかなかったら私が引き取って一人で育てればいいんだもの」
 
こういう言葉を語る主人公には、どうしても違和感がある。
一生懸命生きていない印象が残ります、だから共感出来ない。
そんな本でした。

ほかならぬ人へ (祥伝社文庫)

ほかならぬ人へ (祥伝社文庫)

絵を描く悦び

今年の夏、軽井沢の千住博美術館に行きそこで買った本です。
一連のウォーターフォールの作品、壮観でした。
なんという発想と手間か!!!
 
悩む暇があったら描き込む
作品というのはプロセスを積み重ねれば重ねるほど作品の魅力というのは高まってくる。
 
夢中で生きるプロセスが「絵」の魅力となる。
 
何でもそうかも知れませんね。
とにかく前向きに進んで行く、その過程そのものが魅力となって出てくる。
実に人間らしい姿かも知れません。

千住博の美術の授業 絵を描く悦び (光文社新書)

千住博の美術の授業 絵を描く悦び (光文社新書)

ホテルローヤル

桜木紫乃さんのホテルローヤル読みました。
 
きっかけは、直木賞受賞時のコメント。
「一生懸命生きている人から幸せとか不幸とかは聞いたことがない」
この言葉を聞いた時にこの人の本を読みたいと思いました。
 
好きな作品は、バブルバス。
とても微笑ましいというか、人間臭くて好きです。
毎日一生懸命に生きている人を描いている。
今後も期待してます。
 

ホテルローヤル

ホテルローヤル

蛇にピアス

蛇にピアス、映画を観て読みました。
虚無感、無気力、自虐・・・。

蛇にピアス (集英社文庫)

蛇にピアス (集英社文庫)

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年。。。読みました。
村上さんの表現力や観察力はいいですね、何となく分かる。
最後まで結論を出さない、謎のままに終わる。
読者それぞれに想像させる余韻、自分を振り返らせる魔力。
 
名古屋はもちろん大都会ではあるけれど、文化的な面を取りあげれば
東京に比べてうすらでかい地方都市という印象は否めない。
 
そして村上ワールド
時間の流れがどこかで左右に枝分かれしてしまったような奇妙な感覚があった。
・・・過去と現在が、そして記憶と感情が、並行して等価に流れていた。
 
人の観察
裕福な農家にお生まれ、そこで性格の良いおしゃべりな鵞鳥たちと一緒に育てられた印象があった。
 
駅を作る仕事が好き、こういう人もいますよね。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

舟を編む

舟を編むを読み、そして観ました。
2012年の本屋大賞を取った三浦しをんさんの作品。
15年かけて辞書を作るという作業、在る意味で幸せですね。
だけど興味を持ち続け、その上で継続して行くことは一つの才能かもしれません。
 
記憶とは、言葉。
改めて辞書ってすごいと感じた次第です。
 
映画も良かったですね、キャストが実力派ぞろいで安定してます。
オダギリジョーさん良かったです、黒木華さんは、今後大いに期待です。

舟を編む

舟を編む