ほかならぬ人へ

愛の本質に挑む純粋な恋愛小説とのコメント。
私は、直木賞を取られた表題よりかけがえのない人への方が好きです。
 
どちらも全体的な感想は、恵まれた環境で育った人間のことを描いているということです。
この辺が桜木紫乃さんとは違うところですかね
「一生懸命生きている人から幸せとか不幸とかは聞いたことがない」と桜木さんは言います。
私は桜木紫乃さんの表現の方がしっくりとくる。
 
人間複雑のようで、案外単純のような気もしますし
一人一人違うということもありますよね。
 
だから、結局好き嫌いの問題かな。
 
「子供の一人や二人くらい平気だよ、うちはさいわい資産家なんだし、
彼とうまくいかなかったら私が引き取って一人で育てればいいんだもの」
 
こういう言葉を語る主人公には、どうしても違和感がある。
一生懸命生きていない印象が残ります、だから共感出来ない。
そんな本でした。

ほかならぬ人へ (祥伝社文庫)

ほかならぬ人へ (祥伝社文庫)