TVピープル

TVピープル (文春文庫)

TVピープル (文春文庫)

昨日、ハワイで村上春樹さんの本を読んだと書きました。
それが、『TVピープル』です。
以前、本屋で見かけて気になっていた本のひとつで、丁度選択肢がない状態で見かけたので買いました。この本は、6つの短編集からなっていますが、その中で好きなのは『我らの時代のフォークロア』です。

この本で、1961年に彼は中学に入学しており、その時に私は生まれた。60年代を青春期として育った人達、この本のサブタイトルは、高度資本主義前史で、村上さんの本で共通して出てくる言葉は<わからない>、それまで正しいと思われていた生き方と経済優先の価値観とがぶつかり合いそれぞれの人の中で混ざり合いながら、その混沌をまともに感じていた人達はとても苦しんでいたのかもしれない。

素直に生きれば、その分社会では生きづらくなるのは今も昔も変わらない。

常に気持ちを言葉を表現する難しさを感じ、話すトーンの重要さを大切にする村上さんの本をまた読み返したくなりました。